シミ
シミは病気でしょうか?
シミは体質や加齢によることが多く、健康を害さないという意味では病気とは言えないかもしれません。しかし、シミがあることで悩む方にとっては“治すべき病気”といえます。
更に、普通のシミにみえたのが、実は皮膚癌(メラノーマ、基底細胞癌)であったり、他の健康を害する病気(色素性乾皮症、ホルモン系の病気など)であったりすることもあります。
シミには色んな種類があります
一言でシミと言いましても、色んな種類があります。
炎症によるシミ(炎症後色素沈着)
湿疹、ニキビ跡、やけど跡、虫刺され跡など、皮膚の病気が治ってから出てくるシミです。レーザー照射後の再発の多くも炎症後色素沈着です。紫外線を避けて長期間待てばある程度は回復します。ハイドロキノン外用が有効。
肝斑(かんぱん)
30代以降の女性の両頬にできる茶色の境界がはっきりしたシミです。妊娠、ピル、紫外線などがきっかけになることもあります。トラネキサム酸内 服、ハイドロキノン外用などが標準治療です。洗顔時こすらない事、紫外線を徹底的に避ける事も重要です。レーザー治療は避けた方がよいです。
老人性のシミ(老人性色素斑)、日光性のシミ(日光黒子)
長い年月をかけて、加齢や日光による刺激でできる茶色~黒のくっきりとしたシミです。
雀卵斑(ソバカス)
幼児期から顔にたくさんできる茶色の小さいシミです。夏に悪化し、冬によくなります。
後天性真皮メラノサイトーシス(遅発性両側性太田母斑様色素斑)
20代以降にできる両頬骨部分、両額側面、鼻、下眼瞼の茶色やグレーの多発性のシミです。
シミの治療には、まず、正確なシミの診断を
シミは種類によって治療法が異なります。また、皮膚癌のこともあります。まず、皮膚科専門医に相談して、シミの種類の区別とどんな治療が良いのか相談をされるのがよいでしょう。
当院でのシミ治療
ハイドロキノン
◎レーザーはちょっと。。。でもシミが気になります。
診察中によくこのようなお声をいただきます。レーザーは適切に受ければとても効果があり安全だと思います。ただ、入門編としては美白用塗り薬の外用もよいと思います。当院ではハイドロキノンとトレチノインの取り扱いをしております。
◎ハイドロキノンってどんな外用剤?
ハイドロキノンは特に炎症後色素沈着(ニキビ跡、日焼け跡など)や肝斑に有効です。化粧と一緒に使うことも出来ます。ケミカルピーリングやレーザーフェイシャル、Qスイッチレーザーと同時に行うとさらに効果が期待できます。副作用は少ないですが、まれに皮膚が赤くなる方もおります。 ハイドロキノンは副作用が少なく、価格も安く、効果も一定以上あり、コストパフォーマンスに優れています。ご希望の方は診察時に医師にお申し出ください。
◎ニキビ跡、やけどの跡、虫刺されの跡が気になります。
こういった炎症の跡(炎症後色素沈着)にハイドロキノンは向いています。ほかに肝斑(かんぱん)にも効果が期待できますよ。
◎トレチノインは、ビタミンA(レチノール)の誘導体です。
ピーリング作用があり、表皮のターンオーバーを活性化させます。その結果、シミを皮膚の外に排出する効果があり、結果としてシミが改善します。また、皮脂の分泌を抑えたり、皮膚の張りや小じわの改善効果もあります。しかしながら副作用がかなりの頻度で認められ、赤くなる、皮むけする、ヒリヒリするなどがみられます。使用するうちに副作用はおさまっていきます。ハイドロキノンと併用することで効果が発揮できます。
当院では、トレチノインの副作用を気にされる方のために、マイルドな他のビタミンA外用(レチノファースト、レチノアドバンス)をご用意しております。
◎費用
【ハイドロキノンクリーム】
1本 2,200円(税込)
当院ではシミ改善効果のあるハイドロキノンクリームを取り扱っております。ロート製薬のDR-X HQダブルライトEは朝晩の使用が可能な、塗布しやすいクリームタイプのハイドロキノンです。ビタミンEも配合されており、抗酸化力が高くなっています。また、製造後3年は安定していることが確認されています。(開封後は6ヵ月を目途にご使用ください)
- ※ 保険外診療 初診3,000円 再診1,100円
【トレチノイン】
TAレチノファースト
1本 6,600円(税込)
TAレチノアドバンス
1本 11,000円(税込)
- ※ 保険外診療 初診3,000円 再診1,100円
◎よくあるご質問
- Q
- ハイドロキノン・トレチノインでシミは治りますか?
- A
- すべてのシミに十分な効果があるわけではありませんが、炎症後色素沈着や肝斑(かんぱん)にはおすすめです。老人性色素斑にも穏やかに効果があります。
- Q
- レーザーとの効果の違いは?
- A
- 外用薬ですので、レーザーほどの効果が期待できない場合もあります。しかし、肝斑などのくすみやニキビ跡などの炎症後色素沈着には、レーザーよりむしろ外用剤の方が向いている場合も多くありケースバイケースです。まずは診察を受けていただければと思います。レーザーと外用剤を併用すると最も効果が期待できるケースも多々ございます。
- Q
- 購入するにはどうしたらよいですか?
- A
- まずは診察を受けてください。
ハイドロキノンとトレチノインの処方は保険外診療となります。